飛行機や船、電車の製造においても活躍する金型

2023/07/13

輸送機のボディーの製造に金型は使われない

同じパーツが大量に必要になる場面で、金型はその力を発揮しますが、飛行機や電車、船など輸送機の製造に、金型が使われることはあるのでしょうか。

 

これら輸送機は、生産数が限られ、年間で数個から数十個程度になります。ごく少数しか作られず、しかも非常に大きいボディの製造に金型は不向きであり、これまで金型が使われた例はありません。特に、飛行機の胴体や主翼部分、新幹線や船の先端部のような曲線の箇所に至っては、職人の手加工で作られています。ボディのその他の部分も、職人が機械を細やかに操作することで、一点一点生産されています。

輸送機に搭載される電子機器ほか各種パーツの生産に金型が役立っている

しかし、その他部品の生産には金型が使われることがあります。一体どのパーツがそれにあたるのでしょうか。

 

輸送機は基本的には自動運転されるものであり、そのための、コンピューターや制御装置が大量に搭載されています。そして、それらの大部分が電子機器であり、電子機器の部品の多くは金型で作られています。さらに、モーターやエンジンなどの動力源は、同じパーツを大量に要するものも少なくなく、そういったパーツの製造にも金型が利用されます。

 

また、座席と座席周辺のAV機器やテーブルなどの備品は座席数だけ必要になります。つまり膨大な量が作られるため、これらの中にも金型が使われているものが複数あります。

 

例えば、飛行機をパーツに分けると、実に数十万から百万点を超え、これは自動車の部品数を大きく上回ります。輸送機の構造は見た目以上に複雑で、その分、多くの部品が組み込まれています。そして必要に応じて、金型を利用した部品の製造が行われているのです。

日本の一大産業を支える金型

ところで、飛行機が日本で製造されていないのをご存知でしょうか。それでは、国内で金型を使った飛行機の部品の生産をしていないのかといえば、それは違います。飛行機内部のパーツ、主翼や尾翼の一部、それに胴体など部分的には生産しており、鉄道部品や船舶用部品と並び、航空機部品の生産は、日本の大きな産業の一つでもあります。そのように金型は、日本の一大産業を支える力強い存在なのですね。

まとめ

〇輸送機のボディの製造に金型が使われることはない

〇搭載機器や内装品の製造で金型が活躍している

〇輸送機器の部品の数は自動車を遥かに上回る

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