金型をはじめとする「型」のお話し

2023/06/29

金型製造メーカーである協栄製作所がお送りする金型コラム。
今回は「型」について。

古来より人は、多種多様な「型」を使って、品物を量産してきました。我々、協栄製作所が日々製造している「金型」も、いわばその型の一種。金型は通常、鉄の塊でできていて、ある一定以上の大きさや重さもあることから、身近に見ることも触れることもないと思います。しかし、それ以外の「型」に関しては、よく目にされることも多いのではないでしょうか?

金型を初め「型」は一度にたくさんの物をつくれる

「転写」という言葉をご存知でしょうか?

型は一度作ると、同じ形のものを早く確実に、そして数多くの製品を生み出すことができます。そのためには、製品や作り出したいものと同じ形を型取りし、原型となる形状を型に写し取らなければなりません。この原型を、写し取る作業を「転写」と呼びます。

「金型」に限らず転写された型は原型と逆向きになる

型から転写した文字や模様は、原型とは逆になります。これは鏡に映った風景とまったく同じこと。印鑑をみれば一目瞭然ですね。この印鑑、一度作ってしまえば、何度でも何百万回であっても、同じ名前を表記することができます。この印鑑を応用し、文字を組み替えて、一度に大量の文章を印刷できるようにしたのが活字です。キッチンで使う料理用の型は、同じ形のお菓子や果物・野菜の切り抜きを作ることができます。チョコレートも型を作れば、ハートや動物など多様な形に変えることができます。

多様な「型」は日常に溢れている

他に型はまだまだあります、冷凍庫の製表皿も型の一種ですね。キッチンから書斎やリビングに目を移すと、ホッチキスも針を留め金に変える金型がついていることがわかるでしょう。伝統工芸では、木型をよく使います。干菓子・生菓子などの和菓子の型。人形や陶器を製造する際にも、木型はなくてはならない道具です。

金型と紙型

金属製の金型に焦点をあてると、「たい焼き」「回転焼き」「今川焼」「たこ焼き」などで使われる焼き型があげられます。紙製の型もあります。足袋・衣装の型紙や、布地を織る際に使われる織型。それに布を染めるために使う染型も、紙でできています。

砂で作られた砂型

型の中には、砂で作られた「砂型」もあります。砂は非常に耐火性に優れ、形も自由に変えることができるため、古から鋳物の型として重宝されてきました。そして砂型は、今でも鋳物を製造する際には欠かせない型となっています。

このように、型は時代とともに進化をとげ発展してきました。そして「型」の中で最っとも発展し、システマティックな存在が金型だといえるでしょう。

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